先月のこと、ネット初心者を自称する、ヤフーオークションが大好きなAさん(推定年齢30代後半)が、珍しく神妙な面持ちで、
「詐欺かもしれんorz」
という相談を持ちかけてきた。
一体何をいくらで落札したのかと聞くと、6万5千円の本だ、とAさん。どんな本だよ!と激しくツッコミたくなったが、彼の表情は極めて真剣で、どうやらボケたのではないらしい。なぜ本がそんなに高価なのかと聞くと、なにやらその本には、ここでは書けないような旨みがあるそうだ。
Aさんは、気になる本の説明は曖昧模糊とし、ヤフオクの出品者とのやり取りを淡々と話始めた。阿波弁で。
- A
- 「やっぱり詐欺だろうか・・・」
- 俺
- 「何で?」
- A
- 「まずな、相手からメール来るだろ。ほんで振込先を指定してきとんじゃけんど、住所が北海道空知郡で、指定口座がジャパンネット銀行なんよ。しかもほんまは5万円だったんやけど、『プラス1万5千円でオプション付けます』ってゆうてきてな。まあ付けてもらうことにしたんやけど。でな、まだ二日しかたっとらんのに『早く振り込んでください』ってゆうてくるんよ。これってやっぱり詐欺だろか?」
- 俺
- 「空知郡すか(何処だろ?)。でもまだそれだけじゃあ詐欺とは決めつけれませんよー。でも怪しいと思うんでしたら、キャンセルしたらどうですか?」
- A
- 「今日振り込んだんよ。まあええわって思って。これってやっぱり詐欺だろか?」
- 俺
- 「えっ!そうなんすか(よっぽどほしかったんだろな)」
こんな感じで今回の話は始まった。
しかしこのときはまだ、後にあんなことになろうとは露知らず・・・
それから数日後・・・
- A
- 「商品が届かんのよorz」
- 俺
- 「マジで?送るように催促してみましたか?」
- A
- 「・・・うん。『はよぅ送ってくれ』ってメールしたんじゃけどな。今返事待ちよ。これってやっぱり詐欺だろか?」
- 俺
- 「じゃあちょっと待ってみましょうよ。送ってきたらいいのにね(これはたぶん・・・)」
さらに数日後・・・
- 俺
- 「あれどうなったんすか?」
- A
- 「あれからメールの返事がきてな、『配送先を間違えて送ってしまいました。どうしますか?①待つ ②返金』とか言うてくるんよ」
- 俺
- 「(うっわ~。)そ、それでなんて返事したんですか?」
- A
- 「もう返金してくれってメールしたんよ」
- 俺
- 「それで返金してくれたんすか?」
- A
- 「ほれがなぁ、ずっと連絡がないんよ。これってやっぱり詐欺だろか?」
- 俺
- 「・・・詐欺ですね」
どうやらAさんの胸騒ぎは現実のこととなり、6万5千円を騙し取られたようだ。こういったトラブルはネットオークション等個人売買には必ず付きまとうことで、Aさんにも落ち度があったと言わざるをえない。
そして、多くの被害者はここで泣き寝入りをする。
しかし、Aさんは違った。
彼はそいこらの社会的弱者とは違い、思わぬ気概を示すのであった。
続く
第2話>>ヤフオク詐欺(2)
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