2007年01月29日
●ハンス・ペーター・クーン展
ベネチア・ビエンナーレで金獅子賞を獲得するなど、世界で活躍する現代アーティスト、ハンス・ペーター・クーン(ベルリン在住)のインスタレーションを27日、徳島県立近代美術館で見た。
音や光、映像などを使って空間そのものを芸術にするインスタレーション。この日の目玉は、音楽を軸にした作品「未知の光景」の中で、日本人のパフォーミング・アーティスト和田淳子さんが披露するパフォーマンスだった。
入場者は履物を脱いでフロアに上がる。広い空間のまっ黄色な床一面に、64個のスピーカーが配置され、一つ一つがライトアップされている。スピーカーから流れているのはアブストラクト・ミュージック。中に入った人たちは、おのおの好きな場所に腰を据えたり、寝そべったり。不思議な世界を体感していた。ただ、やはりインスタレーションは野外に設置してある方が好きだ。自然に溶け込むような雰囲気に包まれるから。
やがて、緑色のドレスに身を包んだ和田さんが登場。「凍熱」をテーマに、音楽に合わせて踊る、静止、跳ねる、転がる、静止、ゆっくり動く、静止…。近づく音に遠ざかる音。前や後ろで、右や左から鳴る音が体に伝わる。軽くトリップしたような気分だった。
「なんだかわけがわからない」。終了後、顔見知りの学芸員にこう話しかけた。初めて作品中で繰り広げられるパフォーマンスを見た感想だが、決してつまらなかったというのではない。そうではなく、とてもおもしろかったのだ。だが、わけがわからない。「詳しく聞きたいなら、本人があそこにいるよ」。そう促されて、和田さんに少し話を聞いた。
和田さんは、クールなパフォーマンスとは対照的な柔らかい物腰で語ってくれた。「感じたままに表現しているんです」。後ろにいた夫のクーンが見せた穏やかな表情とともに、印象に残った言葉だ。理解しようとしなくても、感じればいい。
Hans Peter Kuhn(画像あり)
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